滝沢市では下水道使用料の見直しを進めています
滝沢市の下水道は、昭和53年に工事を開始し、昭和58年4月に供用を開始しました。
下水道事業を市民の皆様に将来にわたって安定的に経営し、次世代へ引き継いでいくためには、確実な使用料収入や受益者負担金などの収益確保を行い、施設の維持管理や更新、大規模災害への備えなどの費用を確保していく必要があります。
[老朽管の更新や延命化][設備の維持管理・更新][管渠の交換等の不明水対策]
そのため、滝沢市では下水道使用料の見直しについて検討を進めています。
ここでは、市民の皆さんに下水道使用料の見直しを進めている背景や審議会での検討、過去の使用料改定の実施状況についてお知らせします。
下水道使用料見直しの背景
滝沢市の人口減少と下水道使用料の減少
滝沢市の人口推移
滝沢市の人口は、2020年(令和2年)をピークに減少する見込みで、2040年(令和22年)には5万人を下回ると予想されています。

図1:滝沢市の人口推計
(1980年~2020年:国勢調査/2025年以降:国立社会保障・人口問題研究所の推計方法に準拠し推計)
(出典:滝沢市人口ビジョン)
下水道使用料の推移
人口の減少とともに使用料収入も年々減少しており、今後も同様の傾向が続くと見込まれます。

図2:滝沢市の下水道使用料収入の推移
(単位:千円)(2015年~20240年:使用料収入実績値/2025年以降:市による使用料収入シミュレーション値)
施設の老朽化
償却対象資産(管渠、ポンプ場、機械設備等)が、どの程度老朽化しているかを示す「有形固定資産減価償却率」は、類似団体平均値より低いものの、毎年上昇しており着実に老朽化が進んでいます。昨今の物価高騰等もあり、老朽化が進む施設の維持管理費や更新費用の増加は今後も続くと見込まれます。

図3:滝沢市の下水道事業の有形固定資産減価償却率
(単位:%)(滝沢市HP「経営比較分析表の公表」掲載ファイルを参考に滝沢市上下水道部経営課作成)
今後の収支予測(収益的収支推計)
市では、使用料の減少と費用の増加傾向は今後も継続すると予測しています。
現在の使用料を改定しないまま、物価高騰等により費用が増加した場合、収益的収支は悪化することが見込まれます。
市が行ったシミュレーションでは、現状の使用料を継続した場合、2030年(令和12年)には収益的収支が赤字になると推計しています。
表1:滝沢市下水道事業における収益的収支のシミュレーション結果

(単位:千円)/(滝沢市上下水道部におけるシミュレーション結果)
増加が続く営業費用のうち、特に近年は北上川上流流域下水道維持管理費の負担が増えています。

図4:北上川上流流域下水道維持管理負担金(滝沢市負担分)の推移
(単位:千円)(滝沢市下水道事業決算統計資料等から滝沢市上下水道部経営課作成)
災害への対応
令和6年能登半島地震は、公共下水道施設に甚大かつ広域的な被害を与えました。公共下水道施設が被災した場合、トイレなどの生活排水が使用できなくなるほか、下水道管の陥没等による交通障害が発生するなど、市民の生活や社会活動に重大な影響を及ぼします。
特にも公共下水道施設は、地震時に同等の機能を代替する手段がないことから、耐震化などの対策も進めていく必要があります。
表2:地震災害による下水道管路の被災状況

(滝沢市上下水道部経営課調べ)
図5:下水道のライフライン特性
(出典:国土交通省ホームページ)
また、大規模災害発生時には、使用料収入(令和3年度から令和6年度まで平均5.2億円/年)が見込めない可能性があるほか、復旧に向けて新たな費用が必要となります。過去の他自治体における管渠の被災事例を踏まえ、市では、大規模災害発生時に必要となる改修費を2~4億円以上と想定しています。
そのほか、借入金の返済(令和3年度から令和6年度まで平均3.2億円/年)なども考慮すると、安定的な経営基盤を確保し、将来の施設整備・更新や物価上昇への対応を可能とするためには常時7億円から8億円の資金を確保する必要があると市では考えています。
表3:滝沢市下水道事業の現預金残高の見込み
(単位:千円)/(滝沢市上下水道部におけるシミュレーション結果)
滝沢市上下水道事業経営審議会における検討
本市の下水道事業の経営状況を踏まえ、市長は、令和7年10月27日付け滝沢市上下水道事業経営審議会に対して下水道使用料の改定について検討するよう諮問しました。同審議会では4回にわたる検討を行い、令和8年3月17日に「下水道使用料の改定は必要である」という答申を市長に提出しています。
答申のポイント
①下水道使用料の在り方
安全で快適な下水道サービスを持続的・安定的に提供していくために、下水道使用料の改定は必要であると考える。
②下水道使用料を改定する場合の算定期間
令和9年度から令和12年度までの4年間
③使用料体系
基本水量制は廃止することが適当である。
④使用料改定率
平均改定率12%程度が適当である。
⑤改定時期
令和9年4月施行
⑥附帯意見
経営努力、不明水対策、接続率向上、わかりやすい広報、使用料妥当性の検討に関する附帯意見
滝沢市上下水道事業経営審議会答申書 [279KB]
審議会における検討の経緯はこちらから
下水道使用料見直しの必要性
市では、公共下水道事業の経営状況や受益者負担の原則、公営企業の独立採算の原則の観点を踏まえ、多くの課題に対応しながら安定した経営を継続し、公共下水道事業を将来にわたって持続させるために、下水道使用料の見直しは必要な状況であると考えています。
そのため、審議会の答申を踏まえつつ、使用料改定の実施に向けた検討を現在進めています。
(参考)近年の使用料の改定について
市では、これまでも社会経済情勢の変化等を踏まえ、使用料金の改定を実施しています。
・平成22年6月
基本水量を10㎥から5㎥へ
・平成24年10月
料率の見直し【一般用20㎥の場合:改定前2,310円→改定後2,814円】
・平成26年4月
消費税法の一部改正(5%→8%)に伴う改定【一般用20㎥の場合:改定前2,814円→改定後2,901円】
・平成30年4月
料率の見直し【一般用20㎥の場合:改定前2,901円→改定後3,002円】
・令和元年10月
消費税法の一部改正(8%→10%)に伴う改定【一般用20㎥の場合:改定前3,002円→改定後3,058円】